フランク・ロイド・ライト
Image:Frank Lloyd Wright LC-USZ62-36384.jpg|thumb|175px|フランク・ロイド・ライト
フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright、
1867年6月8日 -
1959年4月9日)は、
アメリカ合衆国|アメリカの
建築家。
アメリカ大陸と
日本に多くの作品を残している。
ル・コルビュジエ、
ミース・ファン・デル・ローエと共に近代建築の三大巨匠と呼ばれる(
ヴァルター・グロピウスを加えて四大巨匠とすることもある。)。
生涯
ウィスコンシン州生まれ。
ウィスコンシン大学マディソン校土木科を中途退学し、
シカゴへ向かった。叔父ジェンキンの紹介により、建築家のライマン・シルスビーの事務所で働き始めたが、1年ほどでシルスビーの事務所を辞し、
ダンクマール・アドラーと
ルイス・サリヴァンが共同して設立したアドラー=サリヴァン事務所へと移った。アドラー=サリヴァン事務所ではその才能を見込まれ、事務所における1888年以降のほとんどの住宅の設計を任せられた。ライト自身もサリヴァンをLieber Meister (愛する師匠)と呼んで尊敬し、生涯にわたりその影響を肯定し続けた。
Image:Frank Lloyd Wright - Robie House 2.JPG|thumb|250px|ロビー邸
アドラー=サリヴァン事務所に勤めてもうすぐ7年になろうとした
1893年、サリヴァンに事務所での設計業務とは別にアルバイトの住宅設計を行っていたことを知られ、それを咎められたライトはアドラー=サリヴァン事務所を辞し、独立して事務所を構えた。
1894年のウィンズロー邸は独立後最初の作品である。独立した1893年から1910年までの17年間に計画案も含め200件近い建築の設計を行い、プレイリースタイル(草原様式 Prairie Style)の作品で知られるようになった。
1906年のロビー邸はその代表的作品である。プレイリースタイルの特徴としては、当時シカゴ周辺の住宅にあった屋根裏、地下室などを廃することで建物の高さを抑えたこと、水平線を強調した佇まい、部屋同士を完全に区切ることなく、一つの空間として緩やかにつないだことなどがあげられる。
ヨーロッパの建築様式の模倣である
新古典主義が全盛であった当時のアメリカにおいて、プレイリースタイルの作品でもってアメリカの郊外住宅に新しい建築様式を打ち出し、建築家としての評価を受けたライトであったが、この後1935年のカウフマン邸(落水荘)までの間、長い低迷期を迎えることとなる。そのきっかけになった出来事が
1904年に竣工したチェニー邸の施主の妻ママー・ボースウィック・チェニーとの不倫関係であった。当時、ライトは1889年に結婚したキャサリン・リー・トビンとの間に6人の子供をもうけていた。既にチェニー夫人と恋仲にあったライトは妻キャサリンに離婚を切り出したが、彼女は応じなかった。
1909年、42歳であったライトはついに事務所を閉じ、家庭をも捨て、チェニー夫人とニューヨーク、さらにはヨーロッパへの駆け落ちを強行する。1911年にアメリカに帰国するまでの2年間に設計活動が行われることはなかったが、その間に滞在したベルリンにおいて、後にライトの建築を広く知らしめ、ヨーロッパの近代建築に大きな影響を与えるきっかけとなったヴァスムート社出版のライト作品集の編集及び監修に関わった。
Image:Imperial Hotel Wright House cropped.jpg|thumb|350px|left|帝国ホテルライト館の正面
1911年に帰国したライトを待っていたのは、不倫事件によって地に落ちた名声とほとんど来ない設計依頼という危機的状況であった。依然妻は離婚には応じていなかったが、ライトはチェニー夫人との新居を構えるべく、母アンナに与えられたウィスコンシン州スプリング・グリーンの土地にタリアセンの設計を始めた。その後、少しずつではあるが設計の依頼が増えてきたライトを更なる事件が襲った。タリアセンの使用人が突如発狂し建物に放火した上、チェニー夫人と2人の子供、及び弟子達を惨殺したのである。現場に出ていたライトは難を逃れたが大きな痛手を受け、さらには再びスキャンダルの渦中の人となった。そのような中で依頼が来たのが日本の
帝国ホテルの仕事であった。
そのスタイルには変遷もあり、一時は
プウク式|マヤの装飾を取り入れたことがあるが、基本的には
モダニズムの流れをくみ、幾何学的な装飾と流れるような空間構成が特徴である。
浮世絵の収集でも知られ、日本文化から少なからぬ影響を受けていることが指摘されている。
孫娘に、アカデミー賞女優の
アン・バクスターがいる。
代表作
Image:FLWright_Home_and_Studio_East.jpg|thumb|250px|オークパーク (イリノイ州)|オークパークにある自邸と事務所
Image:Falling Water 01.jpg|thumb|250px|カウフマン邸/落水荘
Image:Johnsonwax600.jpg|thumb|250px|ジョンソンワックス社
Image:Guggenheim museum exterior.jpg|thumb|250px|グッゲンハイム美術館
ライト自邸と事務所 (
アメリカ合衆国イリノイ州オークパーク (イリノイ州)|オークパーク、1889)
ウィンズロー邸(1894)
ラーキン・ビル(1903)
ユニティ教会(1904)
ロビー邸(1906)
ミッドウェー・ガーデン(1913)
タリアセンⅡ(1914)
バーンズドール邸(1917年)
タリアセンⅢ(1925)
カウフマン邸/落水荘(1935-39)
ジョンソンワックス社(1936-39)
ジョンソン邸(1937)
タリアセン・ウエスト(1937)
ジョンソンワックス研究棟(1944)
グッゲンハイム美術館(1943-59)
ベス・ショーロム・
シナゴーグ(
ペンシルベニア州エルキンズ・パーク、1954)
マリン郡役所(1957-66)
リトル・ハウスの居間が
メトロポリタン美術館に再現。また帝国ホテル玄関のオブジェの一つも展示。
日本国内に現存する作品
帝国ホテル (1967年取り壊し、正面玄関部分のみが
博物館明治村に移築、1923年)
山邑邸 (現
ヨドコウ迎賓館、
兵庫県芦屋市、国の
重要文化財、1924年)
自由学園明日館 (共同設計:
遠藤新、東京都豊島区、国の
重要文化財、1926年)
旧林愛作邸 (現 電通八星苑、東京都世田谷区、非公開、1917年)
日本語文献
フランク・ロイド・ライト 『建築について』 谷川正己ほか訳 鹿島出版会 (SD選書上下)、1980年
フランク・ロイド・ライト 『ライトの住宅 自然・人間・建築』 遠藤楽訳 彰国社、1975年
フランク・ロイド・ライト 『ライトの遺言』谷川正己、睦子共訳
彰国社、1966年 新版1978年
フランク・ロイド・ライト 『ライトの都市論』谷川正己、睦子共訳 彰国社、1978年
フランク・ロイド・ライト 『ライトの建築論』エドガー・カウフマン編 谷川正己・睦子訳、彰国社、1979年
フランク・ロイド・ライト 『ライト自伝 ある芸術家の形成』 樋口清訳、中央公論美術出版、1988年
フランク・ロイド・ライト 『ライト自伝 ある芸術の展開』 樋口清訳、中央公論美術出版、2000年
フランク・ロイド・ライト『弟子達への手紙』 『建築家への手紙』内井昭蔵ほか訳 丸善、1987年
天野太郎・
樋口清・生田勉『フランク・ロイド・ライト』彰国社 1954
天野太郎・浦辺鎮太郎・二川幸夫『フランク・ロイド・ライト1』美術出版社現代建築家シリーズ 1967
谷川正己 『フランク・ロイド・ライト』 鹿島出版会 (
SD選書) 、1967年
谷川正己 『ライトと日本』 鹿島出版会 (SD選書) 、1977年
谷川正己 『タリアセンへの道』
鹿島出版会(SD選書) 、1978年
谷川正己 『フランク・ロイド・ライトとはだれか』 王国社、2001年
谷川正己 『フランク・ロイド・ライトの日本』 光文社新書、2004年
エドガー・ターフェル 『知られざるフランク・ロイド・ライト』 谷川正己、谷川睦子共訳 鹿島出版会、1992年
ターフェル 『フランク・ロイド・ライト 天才建築家の人と作品』 谷川睦子訳 、現代建築集成別巻3・啓学出版、1985年
ブルース・ブルックス・ファイファ 『巨匠フランク・ロイド・ライト』 デヴィッド・ラーキン編、鹿島出版会、1999年
ケヴィン・ニュート 『フランク・ロイド・ライトと日本文化』 大木順子訳、鹿島出版会、1997年
William Allin Storrer 『フランク・ロイド・ライト全作品』 岸田省吾監訳、
丸善、2000年
Charles E./Berdeana.Aguar『フランク・ロイド・ライトのランドスケープデザイン』丸善、2004年
三沢浩『フランク・ロイド・ライト入門 その空間づくり四十八手』 王国社 、2008年
三沢浩『フランク・ロイド・ライトのモダニズム』 彰国社、2001年
岡野真『フランク・ロイド・ライトの建築遺産』 丸善、2005年
エイダ・ルイーズ・ハクスタブル 『未完の建築家フランク・ロイド・ライト』 三輪直美訳 TOTO出版、2007年
マーゴ・スタイプ 『フランク・ロイド・ライト・ポートフォリオ 素顔の肖像、作品の真実』隈研吾監修 酒井泰介訳 講談社トレジャーズ 2007年
Arlene Sanderson 水上優訳 『フランク・ロイド・ライト/建築ガイドブック』 丸善 2008年
大久保美春 『フランク・ロイド・ライト 建築は自然への捧げ物』ミネルヴァ日本評伝選 ミネルヴァ書房 2008年 ISBN 4623052524, ISBN 978-4623052523
関連項目
遠藤新
南信
岡見健彦
天野太郎
遠藤楽
一ノ宮賢治
ルドルフ・シンドラー
田上義也
土浦亀城
アントニン・レーモンド
福原有信
谷川正己
外部リンク
Frank Lloyd Wright Foundation(英語版)
建築家 フランク・ロイド・ライト
ヨドコウ迎賓館(日本語版)
デザイン! What's design? フランク・ロイド・ライト特集
Frank Lloyd Wright - Biography, Arts & Crafts Home
シカゴのユニティ・テンプル (日本語)
ライトをモデルにした小説 『水源』 (日本語)
category:アメリカ合衆国の建築家
Category:家具デザイナー
category:モダニズム建築
Category:ウィスコンシン州の人物
category:ウェールズ系アメリカ人
Category:1867年生
Category:1959年没
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