冨士 宏マッグガーデン
価格:
990円

おすすめ度の平均:


マーベルランドという不安定な世界の成り立ちに深く関わる神器、『時の鍵』。
その鍵が収まるべき場所から失われた時、大いなる災厄が世界を覆っていった。
――マーベルランドの伝承に曰く。
「その女神は空から来る。地上が恐怖と絶望の闇に包まれ、救いを求める人々の声が天へ届く時に」
果たして、緑の瞳の若き女神は、碧緑の鎧を身にまとい、地上へと舞い降りるのであった。
本作は、漫画版ワルキューレである『降誕』の続編です。ゲーム「時の鍵伝説」と「サンドラの大冒険」の
ストーリーをベースに再構成された、「冨士宏版 時の鍵伝説」といっても良いかもしれません。
タイトルの示すとおり、主人公は一応、女神ワルキューレですが、物語の中では
時の鍵を大時計から引き抜いた男・カロンに多くのスポットが当てられています。
人々を叱咤激励し希望をもたらすワルキューレと、世界に災厄をもたらす存在を
解き放ってしまった男、その二つの視点で『栄光』の物語は紡がれています。
作者が2巻のあとがきに記しているように、紙数に限りのある中での執筆ということで、
物語としては駆け足の展開となっています。
純粋な読み物としてはいささか物足りない部分が多いのも事実です。せめてあと一冊、
いや二冊分の紙数があれば、登場人物たちにより深く感情移入できたのに……
という感想は、2巻のレビュアーの方々と重複してしまいますが(苦笑)。
しかし、作者が意図していた(であろう)テーマは、しっかりと語られています。
別の資料を見る限り、おそらくそれはワルキューレのゲーム製作者も意図していたことなのでしょうが、
本当の意味で世界を、そして人間を救うことができるのは、神々ではなく、
あくまでもその世界(マーベルランド)に生きる者たちなのだ、と……。
それは前作『降誕』と共通するテーマとして、この『栄光』でも描かれています。
ゲームが原作ではありますが、どこか懐かしい素朴な味わいに溢れた
この本を手に取られた方には、ぜひ2巻も通して読んでいただきたい。
……それにしても、もうちょっと続いても良かったのになぁ、と思う今日この頃です。
いつかまたどこかで、彼女やサンドラたちが活躍する物語を見てみたいものですね。

ストーリーの原作は「ワルキューレの冒険」から。
ただし本書の後書きの解説にもあるとおり、「SFCサンドラの冒険」と「PSナムコアンソロジー2のアレンジ版」を元にしている。
未プレイの方は、ストーリーの展開にとまどうかもしれないが、間違いなく公式ストーリーである。
読後に、これらのゲームをプレイされると、よりストーリーに深みが増すこと請け合いである。
ついに、宿敵「ゾウナ」が登場。
ストーリーも待ちに待った「時の鍵伝説」
今回は、今まで語られなかった「なぜ時の鍵が抜かれたのか?」というテーマがある。
前述のゲームでも語られなかった、物語の発端と核心である。
今までは「死をおそれた男が・・・・・」と言う理由しか書かれていなかった。
実際にゲームする上では、さして考えもしなかった部分だ。
たぶん、自分かわいさで暴走したやつなんだろうなぁと誰もが勝手に想像していた部分だ。
だが、違うのだ!
その答えは、本書にあるとおり。
悲しくも哀れな青年の想いによるモノだったのだ。
もう一人の主人公と言っても良いだろう。
人の心の闇につけ込む、ゾウナのキャラはぞくぞくするほど。
精神面も物理面もじわじわと「侵略」されていくマーベルランド。
人々は、魔物たちになすすべもなく屈するだけだった。
希望はないのか?
閉じてしまった時の輪の中で、人は永遠に苦しまねばならないのだろうか?
青空を見上げれば、再び緑の鎧を身にまとった若き女神が見える。
ワルキューレの栄光の物語が今幕を開けるのだ。

ワルキューレ再び!
今度のワルキューレはファミコン版ワルキューレを下地に
PS版ワルキューレとスーファミのサンドラの冒険を
ミックスさせキャラクターデザイナーでもある富士宏先生が
再構築した物語となっている。
物語は前作「ワルキューレの降誕」から人の時間にして
ずっと後のお話。降誕を読んでおくとより密度が濃く楽しめます。
ファミコンでは純RPGとして描かれたワルキューレの冒険ですが
そこにもっと物語を追加して富士宏ワールドが展開されてます。
淡々としたキャラ達ですがしっかりとした描写に見せられます。
何よりまたワルキューレに出会える喜びは何事にも代えられません。
読者のわがままとしてもっと読みたいのであえて星は4つに…
さぁ私たちも共に冒険へ出かけましょう!