発売日   >  book

リアル 8 (ヤングジャンプコミックス)



リアル 8 (ヤングジャンプコミックス)
井上 雄彦
集英社
価格:   630
リアル 8 (ヤングジャンプコミックス)

おすすめ度の平均: 4.5

5 車椅子バスケを中心に、挫折を経験した3人の男のリアルな再生過程を描く、 現在進行中の漫画です(ヤングジャンプに不定期連載)。 個人的には、古書店で1〜5・7巻まで格安で「大人買い」したのを契機に、 一気に8巻まで揃えてしまいました。 ファンの方には周知の事実ですが、 主人公は、中学時に骨肉腫の辛酸をなめた、車椅子バスケの日本代表候補、戸川、 出来心から自業自得の交通事故に遭い、半身不随となった優等生、高橋、 そして、上記2人とそれぞれ接点を持つことから、 おそらくキーマンでもある、バイク事故で少女を半身不随に追い込み、 自らもバスケ部退部、高校退学を余儀なくされ、不器用にもがく男、野宮の3人。 さらに、脇を固める友人や家族も個性的かつ魅力的です。 本作は、言い古されているでしょうが、色々な意味で「リアル」。 例えば、個々の登場人物が抱く感情。特に高橋の弱さと裏腹な卑屈さや傲慢さ、 野宮の強面の裏の崩れ落ちそうな内面、 また戸川と旧タイガースの面々との軋轢に見られる障害者の描き方…。 高橋家に典型的な、家族の物語。野宮が直面する社会の世知辛さ…。 ちなみに、誤解を恐れずに言えば、「障害」は本作のメインテーマではないと考えます。 「障害」の視点を導入することで、より主題が見えやすくなるという効果を発揮しています。 かつての「スラムダンク」の底抜けの明るさや上昇志向が大好きだった自分も、 年齢を重ねて、今「リアル」の宿す影を理解できるようになりました。 現在進行中で、1年に1度発売される本作と歩調を合わせ、 自分の直面するリアルを乗り越えていきたい、と思わされます。

4 それぞれに持っていた小さな芽が、 少しづつ、丹念に丹念に育てていったものが、 ようやく形になったのがこの巻だと思います。 特に、『リアル』開始当初は 『屈折した優等生』でしかなかったキャラクターが、 この巻に来て、大きく内面を変化し始めています。 この作品の他の二人の主人公に比べ、 『頑張って現状を打破する』という 感覚が薄いキャラクターだっただけに、 彼の変化は、見ていてとてもわくわくします。 ここまでにバランス感覚に優れた作品はそうないので、 どうか機会があれば、一度は全巻通して読んでもらいたい作品です。 オススメです!

5 野宮、戸川、高橋にやっと進むべき道が見えた。 取って付けたようなその場しのぎの脚本ではなく、3人が 3人とももがき苦しんでようやく見つけた道。 自分の力で見つけた道を進む人の力強さが伝わりました。 夏美ちゃんの焼け野原の表現はパンドラの箱みたいで、 とても説得力ありました。 自分の心が焼けたとき、果たして自分には何が残るのか・・・ 気持ちを切り替えるきっかけは視点を変えること。 自分を現在地とすると、その地点を上下左右いろんな ところから見てみると物事違った見え方をする。 空の視点と9秒の視点はすごかった。 ちなみに、武蔵は上から見て寝ていた虎を起こしてました。 強さとは、現実(リアル)を受け入れる覚悟。 現実(リアル)の中で生きていく覚悟。を持つことだと 感じました。

5 どこに面接に行っても落ちてしまう野宮。自分の居場所(引越し屋)を せっかく見つけて、道がつながったと思いきや倒産…そこへ夏美の 言葉、「どうせ泣くんなら、やりたいことやれば」。 野宮との事故のせいで何もかも失ってしまった夏美。しかし選択肢がなくなることで、ただひとつ自分の自身が持てるもの…それを見つけることができた。そのことが野宮の心に響く。「自分が自身を持てるものは… バスケじゃんか…!バスケしかねぇ!!」 プロに向かって走る野宮の今後が楽しみです。 一方高橋はリハビリに苦しむ…今までサボっていた分思うように行かず… しかし親父からの不器用なメール、そしてなぞの新キャラ花咲くんとの深い 言葉のふれあいの中で、 少しずつに前に進んでいく。そして床トランスを初めて成功させ、 花咲くんに積極的に話しかけるようになり、初めて脊髄損傷になってから 高橋が身内以外の人と談話する場面がとても印象的であった。 あと気になるのは、新キャラ白鳥さんと体育の原先生(8巻では登場せず)。 白鳥さんがこれからどう絡んでくるのか、体育の原先生は問題らしいが、 一体どのような人なのだろうか…すべての答えはリアル9巻で。 とても楽しみです。 これからの展開の中に、戸川とヤマの別れ(死)があると思いますが、 それも重くなってしまいますが、どのように井上さんがまとめて下さるのか… それはとても気になります。

5 不定期連載の方はあえて読まないで、コミックになるのを1年に1度楽しみにしています。こんなに1ページ1ページ大事に読む作品は他にないです。今回は高橋くんのお父さんが「息子と繋がっていたい」とメイルを始めます。主人公の3人だけじゃなく、その周りにいる人達一人一人の小さな成長も丁寧に描写しているとこがこの作品の素晴らしいとこの一つです。また来年の秋が待ち遠しいです。