天使から百年 魔人と主人と廃棄物 (富士見ファンタジア文庫)

天使から百年 魔人と主人と廃棄物 (富士見ファンタジア文庫)
野梨原 花南
富士見書房
おすすめ度の平均: 

ライトノベルには割と多いケースだと思いますが
表紙のイラストと文章の内容があまり釣り合ってない作品だと思いました。主に悪い意味で。
ストーリーの大まかな内容としては、
とある学院に入学した少女カイが、謎の敵ロドーリーとの戦いに
突如として巻き込まれていくという、かなりオーソドックスなものです。
まぁ好みもありますが、話としては誰でも受け入れやすい部類なのかなぁと思います。
イラストも非常に可愛らしく、男性キャラも凛々しく描かれていて、
キャラクターのイメージがつかみやすい絵柄で好感が持てました。
ただ肝心の文章はというと、筆者の技量不足からか
いまいち説明不足であったり、描写が足りてなかったりする部分が目立ちました。
アニメ、ゲーム的な世界観を十分に把握してる読者であれば(それが殆どだと思いますが)
どんな設定でどんなシーンなのか、とイメージしながら読める内容ではあると思います。一応は。
しかし特に戦闘などでは、攻撃を当てた。防いだ。もう一度攻撃を当てた。といった具合で
あまりにも工夫の無い文章で、描写不足で、盛り上がりに欠けるものでした。
ストーリーや、キャラ、設定などについて「ありがち」な部分があることは
このジャンルであれば多少目をつぶっても楽しめるものでしょうけれど
文章そのものの表現力不足、という部分でマイナス面が目立つ作品だと思います。
今まで読んできたラノベとは明らかに違います。
とりあえず展開に違和感。何だこれ?
その違和感にグイグイと引っ張られて、気づいたら読み終わってました。
どう表現したらいいものか・・・今まで繋がってなかった回路が繋がったというか、あらゆる要素が不思議です。結合するはずの無い要素が結合して、一つの不思議な物語が完成しています。すげー技量だ。
ストーリー的には、異世界が舞台の終末系青春バトルなんですが、それだけに収まらない何かがある。描写が薄いような濃いような、展開が早いような遅いような。
とにかく不思議な小説です。読んでみてください。
絵は綺麗なんですが、話に合ってないと思いました。それはイラストレーターの方が悪いのではなく、この作品はそもそも絵を入れるべきではないと私が感じたからです。個人的な感想ですが。
『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』の富士見ミステリー版を読んだときのように、挿絵に違和感を感じました。案外そのへんが違和感の原因なのかもしれません。
何にせよ、三巻でケリを付けるようなので、最後まで付き合ってみようと思います。